ウルティマの歴史

ここでは、かつてPCロールプレイングとして
栄光の道を歩み続けた
ウルティマシリーズの歴史を振り返ってみたいと思います。


「Akalabeth」 -Beyond Adventure Lies-
通称「Ultima 0」というこの作品は、ロード・ブリティッシュことリチャード・ギャリオット氏が
バイト先のパソコンショップで自費出版として棚に置いた物が大手販売会社の目に止まり
1980年全米で発売されたらしいです。
彼はリアルでも隠し扉や秘密の地下室満載の屋敷を建てたり
土地を買い占めて、本物の「城」建築を計画していたりと、ユニークな人です。
「Ultima」
<ストーリー>
舞台はソーサリアと呼ばれている異世界。
邪悪な魔法使いモンデインは自分の父を手にかけてルビーの宝珠を奪う。
彼はルビーの宝珠に暗黒の力を用いて不死の宝珠に変換し、
ソーサリア世界全体を宝珠の中に閉じ込めてしまう。
事態を憂いたロード・ブリティッシュは異世界より召喚した人物に全ての望みをかけ、
モンデイン討伐を依頼する。

<解説>
「Akalabeth」を元に改良を加えて作られた記念すべきUltima第1作。
見下ろし型の2Dスクロールマップと3D視点のダンジョンという当時にしては
画期的なシステムを採用したCRPGであり、これ以降のCRPGのスタイルは
ほぼ固まったといっていいでしょう。
日本の代表RPG「ドラゴンクエスト」もUltimaを見本に作られました。

<もうひとつのプロローグ>
この物語の最後でヒーローはモンデインを倒し、不死の宝珠を砕いて
ソーサリアを開放しますが、その時に生じた宝珠の破片(シャード:shard)
後々重要な意味を持ってきます。
無数の破片の中の無数の平行世界が出来上がってしまい、
この破片の中の世界を舞台にした物語こそ
「Ultima Online」なのです。
「Ultima II」 -The Revenge of the Enchantress-
<ストーリー>
モンデインの愛人ミナックスは復習の為にヒーローの故郷地球を狙う。
時間移動の力を用いた人類の歴史を支配し、人類滅亡、
ひいては歴史からの抹殺を画策したのだ。
ロード・ブリティッシュは自らも地球に戻り、ヒーローを召喚して
地球の危機を救おうとする。

<解説>
第1作を大幅に拡張強化して作られた第2作目です。
タイムドアという時間旅行の小道具をうまく取り入れることでいろんな時代を股にかけ、
シリーズ中随一の波乱万丈冒険物語を繰り広げます。

<もうひとつの復讐>
「UO」においてもミナックスは登場します。
フェルッカの派閥の一大勢力(MX)としても知られていますね。
このミナックスはソーサリアを強力な軍勢を用いて侵略し、遂に征服してしまうのです。
ミナックスの猛攻の前にロード・ブリティッシュは旧世界を放棄し、
より秩序の力が強く働いている新しい世界へ逃れます。
以来、混沌が支配するミナックスの世界をフェルッカ、
秩序が支配するロード・ブリティッシュの世界をトランメルと呼ぶようになり、
世界はまるで双子のように同じ地形を持ちながらも性質の全く違う
二つの面(ファセット)に分断されたのです。
「Ultima III」 -Exodus-
<ストーリー>
平和と共に発展を続けるソーサリアに三度暗雲が立ち込める。
ある日、海上に謎の島が現れ、それと時わ同じくして久しく姿を消していた怪物達、
そう、かつてモンデインに仕えし地獄の眷属達が再び姿を現し始めたのだ。
そして、謎の島に近づいたために乗組員が忽然と消えうせた船の甲板に
残された血文字・・・”Exodus”。
ロード・ブリティッシュは迷わずヒーローを召喚する。

<解説>
この作品から採用された複数パーティ、街のNPCとの会話を軸にしたシナリオ、
敵に遭遇すると戦闘画面に切り替わり展開するタクティカルコンバットなどなど
CRPGの基本要素は、この-Exodus-で既に出揃っている感があります。

<ムーンゲートと二つの月>
本作においては移動手段としてムーンゲートが登場します。
これは二つの月の満ち欠けによって行き先の変わる空間移動のゲートなのですが、
これはそのまま以降のシリーズにも引き継がれ、Ultimaシリーズにおいては
ムーンゲートは基本的かつ重要な移動手段として定着します。
尚、トランメルとフェルッカというのは、元々この二つの月の名前です。
「Ultima IV」 -Quest of Avatar-
<ストーリー>
ソーサリアに平和が訪れ、ロード・ブリティッシュの治めるブリタニアは繁栄を謳歌する。
再び暗黒時代を繰り返さぬように、正しい心のあり方を示す8つの徳を浸透させようと
考えた王は、究極の真理が書かれたコデックス(写本)の探索を奨励する。
写本を手にする資格をもつものは徳の体現者アバタールのみ。
新たな時代を迎えたブリタニアを舞台に
真理を求めるアバタールの探索が始まる。

<解説>
本作で作者は「徳」の概念を導入し、それを極め、徳の体現者アバール(Avatar)
となることを目的に設定します。
これは、殺戮とキャラ強化の拡大再生産を基本構造とするCRPGへの
批判に対する作者なりの回答だったのです。

<完成された世界観>
紆余曲折を経て、本作においてソーサリア(この作品からブリタニアと名称が変わった)
の世界観はほぼ固まったと言えます。
徳を奉じる中世的な街々、8つの神殿と背徳のダンジョン。
文化レベルについてもいわゆる魔法のある中世といった
標準的なファンタジーの世界のものといえます。
ただし、ぶりたにあならではの特徴としては、信仰の対象となる神の不在と
それによる宗教の不在です。
従ってクレリックなどの僧侶もおらず、自然崇拝のドルイド僧が見受けられるのみです。
尚、UOのマップは、ほぼ「Ultima IV」を踏襲したものとなっています。
「Ultima V」 -Warriors of Destiny-
<ストーリー>
かつてコデックスが保管されていた巨大迷宮アビイスは、
アバタールの探索完了と共に崩壊した。
そのとき出来た空洞の下に地底大陸発見の報を受けたロード・ブリティッシュは
自ら調査隊を率いて乗り込み、消息を絶つ。
王代行となったロード・ブラックソンは徳の信仰強化を掲げるが、
やがてそれは圧制へと変貌していった。

<解説>
システム的には前作を踏襲した作品であり、シナリオと共に、
仮想世界の構築という点でも非常に高い完成度を実現しています。
時を刻む時計、時刻と共に目覚め、働き、眠りにつく住人達。
徹底的に作りこまれた世界には作者の執念すら感じます。

<暗黒の真理>
モンデインの不死の宝珠の砕けた破片から生まれ出し背徳の化身達。
それがシャドー・ロードであると言われています。
彼ら3人は愛、勇気、真実という3つの真理の裏返しであるとされ、
ロード・ブラックソンを影で操っていた黒幕でもあったようです。
本篇ではアバタールにより滅ぼされた彼らも、UOにおいては
フェルッカの世界を狙う一大勢力(SL)として未だ健在です。
「Ultima VI」〜「Ultima IX」
<解説>
かなーりいろんな戦いがありました。
「Ultima Online」
<解説>
モンデインの宝珠が砕かれたときに出来た無数の破片とその中の破片世界。
アバタールやガーディアンがまだ登場していない無数のソーサリアの物語。
それがUOです。
位置付け的にはアバタールを主人公とした本篇に対する外伝的な
作品と言えるでしょう。
そしてこれが、5年に渡るもうひとつのウルティマ世界の始まりでもあったのです。
「Ultima Online」 -The Second Age-
Followers of Armagedonという組織のアーマゲドン使用により
ロストランドが発見されました。
そこはテラサンとオフディアン達が屯っている未開の大地でした。
ロード・ブリティッシュはロストランドの王国合併を決意。

日本サーバーオープン時期とも近かった為、この拡張パックからプレイを始めた
プレイヤーも多いのではないでしょうか。
「Ultima Online」 -Renaissance-
モンデインを奪われたミナックスが時空の彼方から帰還します。
彼女の猛攻を防ぐ戦力はブリタニアには無く、ロード・ブリティッシュは破片世界の
別の面(ファセット)への通路を見出し、国民の大移動を敢行するのです。
こうして世界はミナックスの世界フェルッカと
ロード・ブリティッシュの世界トランメルへと分裂し、
フェルッカの覇権を巡る派閥戦争がいつ果てることなく続いているのです。
「Ultima Online」 -Third Dawn-
モンデインの宝珠の破片の新たな面が発見され、イルシェナーと命名されました。
この拡張パックでは新ファセット・イルシェナーの追加と共に従来の2Dクライアントに加え、
3Dクライアントが新規導入されます。
当初はイルシェナー自体も3Dクライアント専用のファセットという位置付けでしたが
次の拡張パックであるLBRから2Dクライアントでも進入可能となりました。

ちなみにわし、かわとは、この第3の夜明け(TD)から始めました。
「Ultima Online」 -Lord Biackthorn's Revenge-
ロード・ブリティッシュの失踪と時を同じくしてブリタニアに不穏な空気が広がります。
サベージ達の出現、ガーゴイルの奴隷化・・・。
その全ての背後には、かつてブリタニアを破滅寸前まで追いやった
エクソダスの影があったのです。
そして、ロード・ブリティッシュの後継者として戴冠を認めようとしない王国上層部に
怒りを覚えたロード・ブラックソンはエクソダスと結託し、ブリタニアへの復讐を誓います。
遥かな滅びの眠りからエクソダスにより召喚されたジュカ達、
時を同じくして仇敵との決着を付けるべくして出現したミーア達。
そして次々と導入される徳システム。
Ultima本篇の要素を残しつつ、いまや全く違う歴史を歩んでいる破片世界に
大きな転換点が訪れようとしています。
「Ultima Online」 -Age of Shadows-
そして現在・・。
正邪の大陸「マラス」、新スキル「騎士道」「ネクロマンシー」「フォーカス」の追加。
さらに様々な追加要素を導入したこの拡張パックで
家を手に入れられたプレイヤーも多いのではないだろうか。
ユーザーの反響も、いろんな意味で大きかったのですが
今後、パブリッシュにより洗礼されて行くことでしょう・・・・きっと・・・・多分・・・・恐らく・・・・。


このコーナーは
ウルティマオンライン公式ガイドブック(シナリオ5対応版)を参考にしています。